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2008年10月 4日 (土)

奥出雲ワイナリー2

奥出雲ワイナリー2
奥出雲にはどう行ったらいいのか。ナビで調べてみたら、中国縦貫道の東城経由で山越えして行こうとすると7時間かかると出た。ところがすべて高速道を使って松江まわりで行くと4時間。地図上で見ると遠回りの行程のほうが結果的には早いと分かった。東城から先の道が酷いことは10年程前に絲原家住宅を見に行った時に通ったから知っている。絲原家は、この地方のタタラ製鉄の中心的な役割を担っていた家だ。あの昔の街道も風情があるので捨て難いが、今回は時間に余裕が無いのであきらめた。岡山から山陽自動車道、岡山道、中国縦貫道、米子道、山陰道、松江道と高速使いっぱなしで走る。
着いた木次町は日本の田舎のどこにでもあるような町だった。町に一軒のスーパーの駐車場に車を停め、松江から来て我々に合流する友人と連絡を取る。ワイナリーは町からさらに登った山の上にある。標高差にして50mくらいだろうか。不思議なことにビニールの屋根がかかった葡萄棚が山間に現れ、丘の上にショップと見学施設、カフェが見えてきた。とりあえず昼なのでカフェで昼食をとることにした。ワンプレートのランチで1500円。充分満足できる内容だった。帰りは運転しなくていいということなので、私だけがワインを飲んだ。白は今ひとつ酒になりきれていない感じがした。赤はスパイシーというかスモーキーな香りもして、好みのタイプだった。私はワインのテイスティングをする時に「霧に包まれた早朝の森林のような香り」などという白々しい表現はしない主義だ。体験したこともないようなことを文学的に表現してみてもはじまらないと考えるからに他ならない。
 このワイナリー、不思議に感じた点が二つある。あれだけの葡萄畑で生産量がまかなえるはずがない、という点と醸造施設を一切見せてないということだ。消化不良の感が残った。
 中国地方のワイナリーはワインファンから期待されているのだから、もう少し頑張って欲しい。では何故中国地方なのか。中国地方には、わが国では珍しい石灰岩台地が存在しているから、というのがその理由だ。わが国の土壌はほとんどが火山灰がもとになった酸性土壌である。しかし、中四国には幸運なことに、カルスト台地が拡がっている。こんな千載一遇のチャンスを逃す手はないではないか。
 ワインの本場のフランスでも高品質のものを産出するワイナリーは石灰岩質の場所に位置している。ワイン向きのいい葡萄はどうやらアルカリ性の土壌から生まれるらしい。こう言うと、土質がそんなに作物に影響を与えるのかと訝しがる向きもあるだろう。しかし、土質が重要なのは山形特産のだだちゃ豆の例を引けば充分だろう。同じ豆をよその地域に植えてもあの味は出ないのである。
 私はここで一つの提案をしたい。岡山県の県北、草間地区に拡がる石灰岩台地にワイン向きの葡萄を植えて、奥出雲ワイナリーへ納入するというような道筋は実現できないものだろうか。この架空のプロジェクトが稼動すれば、類稀な国産ワインが実現するのは必定なのだが。

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